山陰の輝く企業をインタビュー


連載


インターネットで地域を盛り上げるサービス提供!
「いずもウェブ」

(VOL.12)

 
 今回の「元気企業!」は、出雲を中心とした情報発信サイトを運営する「いずもウェブ」。「出雲」という地域に密着した情報を発信している会社です。

 オフィスは普通の民家。取材に行くと、やさしくほわっと笑ってくれる代表の松田新一さんひとりが迎えてくれました。そう、「いずもウェブ」は、松田さんが一人で立ち上げ、経営する会社なのです。

 だがしかし、会社のすごさは規模ではありません。松田さんには、地域だからこそできる「ビジネス構想」があり、それを実現しようとがんばっています。さて、インターネットを使った、地域ならではのビジネスとは?

↑「いすもウェブ」代表の松田新一さん。自宅の小さなオフィスから、アイデアがぽろぽろ生まれます。


インターネットで町内ネタ?!


 いずもウェブは、昨年できたばかりの会社。現在、出雲近辺を中心とした情報提供サイト「いずもWeb」を運営している。

 いずもウェブのホームページにアクセスすると、出雲のお店、天気予報、ニュース、お知らせ等々、とにかく出雲に関わるあらゆる情報をゲットできる。まさに「いずも情報づくし」だ。

 でも、インターネットといえば、世界を舞台にした情報網。なのに、なぜ出雲周辺だけにポイントを?という質問に、松田さんは答える。「なにも世界中に情報を発信しなくてもいい。インターネットで町内ネタ扱っても、いいじゃありませんか(微笑)。」

 松田さんがこの会社を設立したとき、出雲だけの情報サイトはまだ存在しなかった。ならば作ろう!と思ったのが始まりだ。地元のことって、案外知っているようで知らないもの。このサイトを毎日見ると、出雲がまるごと分かってしまいそうだ。

 ↑さわやかな感じの「いずもWeb」ホームページ。出雲に密着した情報ばかりなので、親近感がわいてきます。


小さなお店の強い味方
「あなたのお店もどっと混む!」


 松田さんは、独立する前に勤めていたコンピュータ基盤メーカーで、情報システムのプログラムを作る技術を独学で修得。この技術を使って何かやってみたい!という思いで会社をおこし、ホームページ作成やプログラム開発を手がけてきた。

 そしてこの春、松田さんの技術とアイデアを合体させて立ち上げた事業が「あなたのお店もどっと混む」。インターネットのことがよく分からない小規模な店や事業者でも、インターネット通信販売ができる、というシステムだ。

 インターネットを使った通販はいまや「当たり前」。様々な会社がホームページに商品を載せ、消費者は自宅にいながら、ボタンひとつで買物ができる。だが会社の中には、そのノウハウが分からないために、ネット通販に乗り出せない、というところもある。そういう事業者に役立つシステムを、と開発したのが、「あなたのお店もどっと混む」なのだ。


 「-どっと混む」は、インターネットに詳しくなくても、ネット通販を始められるというサービスだ。手続きは簡単。いずもウェブに申し込めば、松田さんがシステムのしくみや使い方を丁寧に教えてくれて、あとは、自分のパソコンをインターネットにつなげて、ページに商品写真を入れたり、売り文句を入力するだけでOK。それだけでネット通販に参入でき、かつ自店のホームページまで持ててしまう。費用は、入会金3000円、月額5000円とリーズナブル。松田さんのアフターサービス付きだ。(詳しくは「あなたのお店もどっと混む」へ)

 始めたばかりの「-どっと混む」だが、すでに数店が、このシステムを利用している。中には、こんなユニークな例もある。

 最近の健康志向に目をつけた出雲のぶどう農家が、「これからはプルーンだ!」と思い立ち、自分の畑でプルーンを作り始めた。これをなんとか消費者に買ってもらおうと、「どっと混む」を利用。いままで販売手段を持たなかった農家でも、このシステムを使えば、世界中の消費者に作物を売ることができるわけだ。まさに「地元発信」「作り手の顔が見える作物販売」なのだ。

  いま日本の食料自給率は、たった40%。だけど消費者は、生産者の顔が見える国産の農産物を食べたい、と望んでいます。出雲周辺は、田畑も海もある、農水産物の宝庫。これをインターネットを使って、広範囲に広めることができればー松田さんはそう考えています。


夢は「インターネットいずも商店街」


 いずもWebには、どっと混むシステムを利用している店や会社はもちろん、出雲周辺にある飲食店、ファッション店などのホームページが登録されている。出雲でお買物や食事をしたい人は必見だ。しかし、まだ全部のお店を網羅できているわけではない。

 松田さんは、できるだけ多くのお店に登録してもらい、いずれは「いずもWeb」を、インターネット上の『いずも商店街』にしたい、と考えている。そうはいっても、ホームページを自力で作れない、というお店の人もいるはず。だが心配は無用だ。いずもWebには、無料で簡単にホームページが作れるコーナーもあるし、どっと混むシステムを利用すれば、それだけでホームページが持てる。

 さらに松田さんは、出雲や島根でとれる農水産物を、「どっと混むシステム」を使って大いに販売してもらい、いずもWebでもどんどん紹介したい、と考えている。

 

 

 「私たちが普段何気なく食べている漬物、干物などを都会の人に出すと、『おいしい!』と喜ばれます。農家のおばちゃん手製の漬物、漁師の親父さんがとった魚、どれも素朴で美味な特産物なのです。これをインターネットでたくさんの人に知ってもらい、買って食べてもらえれば、地域の活性化にもなります」。
 「どっと混むシステム」をビジネスとして成功させると同時に、地域に元気を吹き込むこと、これが松田さんの、目下の夢だ。


地域だからこそ、がんばれる


合資会社 いずもウェブ
代表 松田新一
島根県出雲市矢野町651-12(〒693-0058)
TEL&FAX 0853-21-9714
E-mail: info@izumoweb.com


 いま松田さんは、どっと混むシステムを地域中のさまざまな人に普及しようと燃えている。何かあったとき、すぐに自分がかけつけられる範囲の地域で、このシステムを広める予定だ。

 松田さんは言う。
「インターネットを簡単に利用できるいろんなサービスを提供していきますので、どしどしご利用下さい。また、利用者の方々の意見を聞きながら、より良いシステムを開発し、少しでも地域のお役に立てれば幸せです。みなさんと二人三脚、がんばりますよ(にこにこ)」


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