山陰の輝く人物にインタビュー
山陰の元気人


連載
精巣癌の辛くも明るい闘病記をホームページで発信。
しまねIT大賞審査員特別賞に輝く!

管理人ねっちょさんの熱い思いとは???
(VOL.19)
 人生たのしく!たのしく!…、これがねっちょこと山根敏弘さん(松江市在住)が作るホームページ「ねっちょの闘病記(精巣癌)」のサブコピー。先般「しまねIT大賞」のプライベート部門審査員特別賞を受賞した。審査員の議評にあるように内容の明るさと豊かさは脱帽もの。そしてみんな生きる勇気が湧いてくる!「目立ちたがり屋だから応募したんです」と目を細めてはにかむ姿は、どこにでもいる健康そうなフツーのおにいさん。
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プロフィール
本名
山根敏弘(通称ねっちょ)
松江市在住 35歳 既婚
職業
サラリーマン
趣味
ゴルフ、スノーボード、ヨット、
レガッタなどのスポーツ

ホーム
ページ

http://neccho.hp.infoseek.co.jp/
もっと詳しくはホームページで
 1年前のある日、ねっちょさんは自分の片方のキ○玉(ねっちょさん自身の表現なのであしからず)にしこりを発見。それが精巣癌だと知る。100日間にわたる入院生活を余儀なくされ、無事退院、仕事復帰を果たして約半年が過ぎようとしている。しかし今も腰痛で苦しみながらの闘病記は続く…。とはいえ、ねっちょさんもホームページもめちゃめちゃ明るい(ように見えるだけで本当はかなり辛い内容)。
 松江を愛する素顔のねっちょさんを直撃する!
■抗癌治療のため即入院。

-自分の病気のことを公表するのは勇気がいることだと思いますが

 よく言われますが、同じ不安や悩みをもっている人たちの情報源にしたいと思っているんです。なぜかと言うと、精巣癌は日本では男性の10万人に1人くらいの割合、病例の少ない癌で、自分のしこりにが「なんだろう」と不安に思ったとき、調べる手段が少なかったんです。インターネットで検索すると、さすが症状や治療の方法が出てくる。いろいろ参考になったけど、今思うと意外とあったら便利な細かい情報はまとまってなくて、それならば自分で発信しようと思い立ったわけです。

 癌の初期は、しこり以外の自覚症状がなく、痛くもかゆくもないから、場所が場所だけに病院にも行かないで、症状が出る頃には手遅れになるケースがよくあると聞いて、世の男性たちに「すぐにキ○玉を調べたほうがいい」と忠告する意味でも、少しはホームページがお役に立ったらいいと思ってますよ。

 僕の場合、結局恥ずかしがらずにすぐ病院に行ったのが正解でした。片方のキ○玉を取ることになったのはショックだったけど、芸能人でも最近同じ手術をしてちゃんと復帰しているし、取って治るんだったらそのほうがいいやって。ところが癌細胞が上体部にまで浸透していることがわかって、「まじかよー!!」。抗癌治療のため即入院。それから日記をつけはじめました。化学治療は想像するよりはるかに辛く、髪も一時は抜け落ちカツラのお世話にもなりました。これでも早期発見でよかったねと言われるのだから、命があってありがたい。無事退院することができたので、同じ病気と闘っている人たちの励みにはなるんじゃないかと思うんです。
ねっちょの闘病記
ねっちょさんが見事しまねIT大賞審査員特別賞』を受賞した、
ねっちょの闘病記
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■ホームページで発信

-ホームページを立ち上げるきっかけは?

 入院中時間がいっぱいあったから(笑)。最初はテレビばかり見ていました。でもテレビを見るのも有料で、長期になるとそれもばかにならないことに気づき、病室に自分のパソコン持込みを許してもらったんです。DVDを見ても、とにかくたっぷり時間があるので(治療の初期は体調もすこぶるよく)、ホームページを作ってみようと思ったわけです。

 機械はそんなに弱いほうじゃないけど、ホームページは作ったことがなかったから、マニュアル本を見ながら1から勉強です。
 ホームページで発信すると、「癌」や「精巣癌」といったキーワードで、すぐに反応がありました。やっぱり悩んでいる人は、自分と同じようにネットで調べているんだとわかります。だから僕は、仕事復帰は果たしたものの、再発の恐れが無くなったわけではなく、日々様子をうかがっている段階だから、そんな状態のことも参考になればと思って「闘病記」を書き続けているんです。

 さすがに、仕事に戻ると時間も限られ、思っていることが全部書けずじまいですが…。

■まだ見ぬ子どもと命のどっちをとるか?

-ねっちょさんの明るさの秘訣は?

 もともとネアカで、目立ちたがり屋。それでも精巣癌とわかったときは落ち込みました。それまで手術なんてしたこともなかったんだから。去年の1月に結婚したばかりで、始めての結婚記念日は病院で迎えるとうおまけつき。
 だけど、救いだったのはうちの“嫁”があんまり動揺していなかったこと。

 「大丈夫だわ~。治るわ~」と意外にあっけらかんとして励ましてくれました。まだ見ぬ子どもと命のどっちをとるかと言われれば命だし、治ればもう一個のキ○玉で子どもも作れるという期待もあったしで。とにかく嫁の明るさに励まされたところは大きくて、恥ずかしがらず全部オープンにしようと決めたら、すーっと気が楽になったんです。

ねっちょさんと仲間
ねっちょさんとその仲間。
退院間近の病室にて。

■人生たのしく!たのしく!

-病気をする前と後で変ったことは?

 僕の病気は、実は熟年世代に多いんです。仕事でその年代の人たちと会話をするとき、病気のこともネタのひとつになっていて、以前より親しみをもってもらえているんじゃないかと思います。なるべく専門用語は使わずに、噛み砕いて話すんです。
 今まで当たり前だった健康や、友達や家族のありがたさ、そして髪の毛…感謝する気持ちでいっぱいです。
会社や友人のホームページも作ったら、どんどん欲が湧いてきて、ネット上でコミュニケーションできるサイトを作ってみようと思案中です。松江の情報も発信してしてるので見に来てください。病気がわかってからずっと禁煙。今でも続いているから、おかげでちょっと太ってきたかも!? 
 これからも人生たのしく、たのしく、生きていきたいですね。

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退院してからもう2回整髪。髪の毛のありがたさを痛感!?


■これまで掲載してきた記事

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