ダックス株式会社

米子市両三柳、アヒルがトレードマークのダックス株式会社。その理由を尋ねると、意外にもディズニーのキャラクター、ドナルドダックからきているという。
「社長の発案なんですが、事業をディズニーランドにたとえると、私たちの仕事も感動を与えるものでありたいと思うんです。お客様が主役のミッキーマウス。社員はあくまで脇役、でも人気のあるドナルドダックのような存在です」と営業部長の古都（ふるいち）さんはおしえてくれた。名脇役になることを願ってオートガラス(株)から社名変更した。

　カーフィルム、ガラスの販売施工では、山陰各地に営業所を拡大するなど業績を伸ばしている同社だが、決していいことづくめではない。自動車メーカーの経営改革で、ガラスを含めた修理はメーカーの自社施工に移行していく現状がある。もともと商品の差別化に限界がある業種だ。結局のところ、業界生き残りは顧客満足のサービスしかないことにたどり着く。

「車のガラスが割れたという電話をもらって直しに駆けつけるでしょう。でも実際ガラスだけじゃなくて、キーを無くしてしまった、○○も壊れてるんだけど直せないかという、お客様のお困りごとはひとつじゃない、現場に行ってわかることが多いんです。うちはガラス屋ですから、直すのはガラスだけで、鍵は鍵屋へ･･･っていうのなんとかならないかな･･･とずっと思っていました」
それにぴったりかなったのが「生活救急車」だった。
　
これはジャパンベストレスキューシステム(株)が本部となって全国に展開するサービスで、自動車関連だけでなく、生活全般の緊急のお困りごとに２４時間対応するもの。
ダックスでは、昨年秋から今まで培ってきた技術を活かし、建物ガラスと鍵をメインにした救急車サービスの代理業務を始める。

十字と「生活救急車」とフリーダイアルが大きく書かれた、白と青のコンパクトなワゴンを米子市内で見かけるようになった。屋根の青ランプも点滅する仕掛けになっていて、１１９番で呼び出す白地に赤の救急車そっくりだ。「やー見ましたかっ！？　まだ台数が少ないんですけど、春からは電話帳にもフリーダイアルがバッチリ掲載されますし、街中を生活救急車がいっぱい走ってくれたらなと思っていますよ。おかげさまで、まだ宣伝が行き届かない割には何度も出動しています。やはり夜の依頼が多いので、少しは『人助け』になっていると思うとやる気が出ます」古都さんは大きな瞳をますますくりくりさせ、説明する声のトーンも上がる。

ダックスの社是は「心を高める」とある。
これは、「社会に貢献すべく、人として如何にあるべきか」を社員ひとりひとりが、仕事を通して学び実践しようというもの。会社では定期的に勉強会が開かれ、社長が感動したテレビ番組や本をテーマに語る。ミィーティングルームには過去題材にしたビデオテープなどが並べられ、社員への貸し出しもするという。顧客に「さすが、違うね」と言われる、心地のいいサービスとは何かを常に追及している会社なのだ。電話対応、挨拶など、当たり前のようでより気持ちよく、「一期一会」の精神を貫こうというものだ。清潔感のある店内、社員は対応してくれた古都さんをはじめハキハキと親切で明るい。

余談だが、大畑社長のご息女(２０歳)は、「ＭＩＫＩＫＯ」の名でメジャーデビューをしている。
http://www.mikiko.jp/　へアクセスしてチェック。米子出身のＭＩＫＩＫＯを皆で応援しよう！